Posted:2017-12-1

かぶの歴史は実に古く、日本にやってきたのは弥生時代といわれる。
在来品種も多く、その数は全国で80を超える。

アブラナの一種で、白菜やキャベツなどの仲間。在来品種の分布を見ると、東日本と西日本とで境界を引くことができ、愛知—岐阜—福井を結ぶ線は「かぶライン」と呼ばれる。東は原産地のアフガニスタンからヨーロッパを経て伝えられた系統のもの、西は中国を経てやってきた系統のものが多い。
一般的に出回るかぶは「小かぶ」といい、東京都葛飾区金町産の「金町小かぶ」から改良されたもの。

大野紅かぶ(おおのべにかぶ)

濃紅色で扁球形の赤かぶ。直径10cmほどで、葉柄も赤くなる。和種系品種で、比較的生育が早い。肉質は緻密で甘みに富み、特有の香りがある。

11月〜12月頃
主な産地
北海道の南側一帯
おすすめの料理
浅漬け、ぬか漬けなど主に漬物、煮物にも

温海かぶ(あつみかぶ)

皮は濃い赤紫色をしているが、果肉は白色。直径10cmほどの中型で、肉質はよく締まっていてやや硬い。甘みの中に少し特有の辛みがある。

10月〜12月頃
主な産地
山形県鶴岡市温海地域
おすすめの料理
甘酢漬け、浅漬け、ぬか漬けなどの漬物、酢の物

金沢青かぶ(かなざわあおかぶ)

直径10cm程度のやや平べったい丸型で、重さは500〜600gと大きい。根の大部分が緑色で、先端は白色。肉質は硬く、歯切れがよいのが特徴。

11月〜12月頃
主な産地
石川県金沢市
おすすめの料理
金沢の郷土料理「かぶら寿司」

すぐき菜(すぐきな)

京都の伝統野菜の1つ。根の部分は長さ20cmほどの円錘形で、だいこんを短くしたような形。葉は肉厚で濃緑色。果肉は柔らかく、ほのかな香りがある。

10月〜12月頃
主な産地
京都府京都市上賀茂地域
おすすめの料理
漬け物、煮物、味噌汁など

津田かぶ(つだかぶ)

根が牛の角のように曲がり、勾玉状になるユニークな形。長さ15〜20cm程度で紫紅色になるが、先端は白色。緻密で柔らかく、生で噛んでも甘みがある。

10月〜12月頃
主な産地
島根県松江市津田地区
おすすめの料理
浅漬け、甘酢漬け、ぬか漬け、ピクルス

日野菜かぶ(ひのなかぶ)

太さ100円玉程度で、根の長さは25〜30cm。上部が赤紫色、下部が白色の細長い形。肉質は硬く、少しエグみがあるが、辛みと苦みをほどよく含む。

10月〜1月頃
主な産地
滋賀県、三重県、京都府
おすすめの料理
甘酢漬け、ぬか漬け