道の駅サクセスストーリー

道の駅サクセスストーリー

Posted:2018-10-1

連携する意味と役割を問い続ける

道の駅ばんだい in 福島

会津各地の道の駅の軸として。

自治体や、駅長同士の交流を通じて培った絆で

会津エリアと福島県を盛り上げる。

道の駅 ばんだい 駅長 斎藤 治仁 氏

道の駅 ばんだい
駅長 斎藤 治仁 氏

会津のシンボル「磐梯山」の麓に建つ道の駅「ばんだい」。
この道の駅の駅長は、就任から約10年の間、町長とタッグを組み他の道の駅に先駆けて様々な取り組みを行ってきた。
また、就任早々に会津エリアの道の駅の駅長を集めて『あいづ「道の駅」交流会』の立ち上げにも取り組んだ。それまで横のつながりが弱く、「点」で活動していた道の駅同士を結んで、「線や面」で活動できるようにしたこの取り組みは、後に福島県内のみならず、他県の道の駅にも影響を与えていった。
今回は、その道の駅「ばんだい」の斎藤駅長に、道の駅としての取り組み、道の駅の交流によって生まれた活動の様子や、今後の展望などについてお話を伺った。

町と道の駅、同じ目標を追いかける。

「会津磐梯山は宝の山よ」とは、民謡「会津磐梯山」の歌詞。磐梯山は、会津の人々の心の拠り所ともいえる名峰である。
その磐梯山の麓にある磐梯町は、人口3,533人(2018年3月1日現在)、会津の仏教の源として隆盛を誇った慧日寺(えにちじ)がある町としても知られている。

道の駅ばんだい左:道の駅ばんだいの外観。後ろに見えるのが磐梯山。
右:駅長と磐梯町のキャラクター「ロボばんじい」。

道の駅「ばんだい」は、福島県で初の県道沿いの道の駅として2009年8月にオープンした。会津の玄関口の一つとも言える道の駅。そこでオープン当時から駅長を務めているのが、今回お話を伺った斎藤駅長だ。
国道並みの交通量がある県道沿いにあるため、道の駅は2年目の時点で年間87万人が利用し、当時の県内の道の駅ではベスト3に入る利用者数となった。
「この利用者数はこのままでは長くは続かない」と感じていた駅長は、より道の駅を利用しやすいように駐車場の拡張、店内の改装、ドッグランの開設、そしてEV(電気自動車)の充電器の設置を、町に申請して実現した。

道の駅ばんだい大型犬用、小型〜中型犬用に分かれたドッグラン。のびのびと使えて人気。

ドッグランもEVの充電器も、今でこそ道の駅で多く見られるようになったが、当時は珍しく、どちらも福島県内では初の試みだった。
「私は、誰かの後を追いかけるよりも、先頭を走っていたいと考えています。ありがたいことに、オープン当時から一緒に道の駅について取り組んできた、磐梯町の五十嵐(源市)町長も同じ考えをお持ちでした。」(斎藤駅長)
ドッグランもEV充電器も、町長が『県内初ならやろう!』ということで実現し、ドッグランのための用地の取得も町が率先して行ってくれたという。「私だけでは到底実現できなかったと思います。ただ、その後EV充電器の新設については、国からの補助金が出ることになって……。もう少し待てば良かったかな、と思うこともあります(笑)」

道の駅ばんだい

そういった取り組みに注目が集まり、新しい道の駅をつくる予定の自治体の視察先として選ばれることが多くなっていった。
「ありがたいことですが、うちを視察してからできた道の駅はみんな、最初からうちよりもいい設備を備えていて、羨ましく思うこともありますね(笑)でも、うちも負けずに『先頭を走る』姿勢は崩さずにいこうと思っています。」

  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

道の駅 ばんだい 駅長 斎藤 治仁 氏

会津各地の道の駅の軸として。
自治体や、駅長同士の交流を通じて培った絆で
会津エリアと福島県を盛り上げる。

連携することの意味を問い直す。

道の駅ばんだい『あいづ「道の駅」交流会』の道の駅で合同で開催した、「駅長自慢の 6次化商品 試食販売アンケート会」の様子。

斎藤駅長は就任2年目の2010年に、中心メンバーの一人として、会津エリアにある道の駅で『「あいづ「道の駅」交流会』を立ち上げた。
道の駅の連携組織は他にも各地の『「道の駅」連絡会』があるが、これは道の駅を設置している自治体の首長の組織であり、一方「交流会」は道の駅の駅長が集まった組織である。
「宮城県の北東にある道の駅6駅の、『ロード6』という組織があります。それを当時参考にして、会津エリアの道の駅のサービスの底上げを図ろうと、自治体の首長ではなく、現場で働く駅長を集めて交流ができる組織を立ち上げたかったんです。」
「道の駅」は、それぞれ運営母体が自治体であったり、第三セクターであったり、民間企業であったりと様々で、規模もバラバラである。また、同じ会津エリアにある道の駅でも、交通の要所になっているような場所にある道の駅は十分な利用者数が見込めるものの、そういった場所から離れた道の駅では、利用者数の減少に悩んでいるという状況だった。しかし、同じ「道の駅」として運営していく以上、そのサービスに大きな質の差や温度差があってはいけないのではないか、そう斎藤駅長は考えていた。

道の駅ばんだい左:交流会で企画した、会津エリアの道の駅限定の20年熟成古酒「会津時間」と、米焼酎「男の時間」。
右:会津は全国有数の酒どころ。地元磐梯町の「榮川酒造」も道の駅限定の特醸酒を製造。

会津各地という「点」ではなく、会津各地を結んで「線や面」として活動すること、つまり、地元の駅長、または駅同士がしっかりスクラムを組んで、会津エリアとしてまとまって観光案内や会津グルメの紹介、地場産品のPR、イベントなどを行うことで、会津エリア全体を盛り上げ、各道の駅を潤すことを目指して『あいづ「道の駅」交流会」は誕生した。

そうして、交流会としての活動を企画していた最中、2011年3月11日東日本大震災をむかえた。
幸いにも会津エリアの道の駅には大きな被害はなかった。しかし、同じ県内でも海側の道の駅の被害は甚大で、運営再開の目処の立たないような状況だった。

道の駅ばんだい左:津波で被害を受けた道の駅「よつくら港」の建物。
右:道の駅「よつくら港」での、『あいづ「道の駅」交流会』と地元業者の共同出店の様子。

道の駅ばんだい左:出店中に掲げられていた横断幕。「たちあがれ道の駅よつくら港 たちあがれ ふくしま」と書かれている。
右:道の駅「そうま」での出店の様子。出店した道の駅では、被災した多くの人々から感謝された。

自分たちの道の駅の今後も不安だったが、仲間の道の駅を助けなければ、という想いを持って『あいづ「道の駅」交流会』として、道の駅「よつくら港」をはじめ、福島県内の甚大な被害を受けた道の駅で炊き出し、販売などを行った。
奇しくもこれが『あいづ「道の駅」交流会」としての初の活動となった。そして、震災前まで、会津という内輪のことだけで活動を考えていた交流会の駅長たちだったが、地元の道の駅スタッフや被災者の方々の笑顔を見て、何かあった時に自分たちの活動が他のエリアでも心の支えになることを実感。『あいづ「道の駅」交流会』に、新たな存在意義が加わった。

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

道の駅 ばんだい 駅長 斎藤 治仁 氏

会津各地の道の駅の軸として。
自治体や、駅長同士の交流を通じて培った絆で
会津エリアと福島県を盛り上げる。

『あいづ「道の駅」交流会』には、2018年9月現在、15駅が加盟している。2〜3ヶ月に一度開かれる会合には、駅長だけではなく、農林関係や道路関係の行政の担当者なども参加する。これによって、補助金などのアドバイスを受けることができ、会津限定の商品開発や、イベントなどの各取り組みをスムーズに実現することができる。例えば、今年は8〜12月で開催する『あいづ「道の駅」交流会』のスタンプラリーは、県の補助金を活用することで、各道の駅に負担をかけずに実現することが出来た。(ちなみに昨年は会津地方が雪に覆われる冬に開催したが、スタンプラリーのパンフレットは10,000部以上がはけたそうだ。)
道の駅「ばんだい」自体の取り組みもそうだが、行政を巻き込んで一体となって取り組むことが、地域の拠点となるべき道の駅には必要である。

道の駅ばんだい左:スタンプラリーは、道の駅で買物をするとスタンプがもらえる。道の駅にとって実効性のある取り組み。
右:『あいづ「道の駅」交流会』のエリアマップ。ここからスタンプラリーに発展していったそう。

道の駅自体の成功がなければ、交流会の成功もない。

2013年には、会津の取り組みに影響を受けて、福島県内の道の駅の駅長が集まる『ふくしま「道の駅」交流会』が発足。交流会の視察も増え、その後、中国地方や山形県など各地の「交流会」設立にも少なからず影響を与えた『あいづ「道の駅」交流会」。現在その会長も務める斎藤駅長に、今後の展望を伺うと、「お客様の要望は年々高くなっていきます。今後はやはり、特にソフト面が課題となっていくでしょう。そのために、インバウンドも想定した接客や、観光知識などの勉強会を積極的に開催していきたいですね。サービスの底上げを図って、『会津の道の駅はどこに行っても親切ですね』と言われるようになることが目標です。」とのこと。

道の駅ばんだい

そして「道の駅『ばんだい』の成功がなければ、交流会の成功もないと考えています。」と斎藤駅長。
磐梯町は道の駅がオープンするまで、郡山から会津への通過点でしかなかったそうだ。しかし現在では、道の駅でお客様が足を止めてくれる。その状況を自分の町だけで留めるのではなく、訪れたお客様に他の会津エリア各地の様々な情報を提供し、各地へ足を運んでもらえるように積極的に働きかけている。そうして会津の玄関口として、『あいづ「道の駅」交流会』の中核としての役割を担うためには、道の駅「ばんだい」自体にも足を止めてもらうだけの魅力が無ければいけないということだ。
地元の逸品が集まる他にも道の駅内には、戊辰戦争で敗れた会津藩士が移封された斗南藩ゆかりの地である青森県むつ市の海の幸のコーナー、磐梯町の姉妹都市であるカナダのオリバー市にちなんだカナダコーナー、さらには、同じ「ばんだい」の名を持つことで交流が生まれた玩具メーカーの「バンダイ」のコーナーまであり、なかなか見ていて飽きない。

道の駅ばんだい左:青森のコーナー。海産物の数々が並ぶ。大間のマグロも購入できる。
右:本場のメイプルシロップなどが並ぶカナダコーナー。

道の駅ばんだい売場で一際目を引く「ガンダム」は、バンダイコーナーに。

また、道の駅「ばんだい」では、道の駅の商品の町内への宅配も行っている。その数は決して多くないが、買物難民が出てしまう磐梯町の現状を改善するために必要なこととして取り組んでいる。斎藤駅長は道の駅を「町の課題を解決する場所」「町の光」にしたいと考えている。
また現在、道の駅を「モノやサービスを売って利益を上げる」場所として注目が集まりがちだが、「休息機能」「情報提供機能」「地域連携機能」という道の駅本来の目的を忘れてはいけないという。「こういうところにこだわるのは会津人の特徴かもしれませんね。」と斎藤駅長は最後に話してくれた。

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3

PageTop

全国道の駅連絡会

Copyright© All Nippon Michi-no-Eki Network All Rights Reserved.